避妊薬の原料と解任しない仕組み

避妊とは、医薬品や手術などの手段を用いて、受精もしくは受精卵の着床を妨げて、妊娠を避けることです。広く知られている避妊のアイテムとしては、コンドームが代表的です。また、近年ではさらに安全性の高い避妊薬がポピュラーな存在になりつつあります。日本では、1999年に低用量ピルが認可され、さらに2008年に月経困難症の治療薬としても承認されています。

避妊薬は、1960年代にアメリカで開発されたもので、国によって状況は異なりますがトータルでは世界で約1億人の女性が使用しています。黄体ホルモン様作用を示すプロゲストーゲンとエストロゲンの2種類のホルモン剤を原料として構成されており、排卵の抑制、子宮頚管粘液の性状の変化(精子の子宮内侵入を抑制)、子宮内膜の変化(受精卵の着床抑制)という流れで作用します。正しく服用した場合で解任する確率は、わずか0.3%になります。これは、避妊手術での解任率が0.1%から0.5%とされているので、ほぼ遜色のない内容となっています。

なお、この避妊薬の原料である女性ホルモンは、人口的に合成されたものであるということが、更年期障害の治療などで用いられているホルモン剤との違いです。ホルモン補充療法で使用するホルモン剤は、分泌量が低下したホルモンを補給することを目的としており、天然由来の成分を原料としています。

これに対して避妊薬は解任を目的としており、エストロゲンの量は約5倍です。これは、卵巣の働きが正常な状態であるにも関わらず使用するためであり、足りないものを補うという目的で使用するものではないからです。このために、避妊薬の使用は、宮内膜症などのホルモン系疾患の発症率を高める危険があるということを認識しておかなくてはなりません。